Day1　三重の人々が受け継ぎ、守り続けた工芸品と神楽の技術に出会う

【組子、牛銀本店】

伊勢に伝わる「組子」は室町時代、書院造りの建築と共に発展した工芸で窓や障子・欄間などに、釘を一切使わずに繊細な模様を組み上げていく工芸品です。細工を通して入り込む光が、組子の影を絵画のように描き出す光景は息を呑むほど。その意匠は数百種にも及び、物によってはひとつの意匠に10万個もの木片が使われるというこの組み木細工に挑戦していただきます。ご指導いただくのは、内閣総理大臣賞を受賞した黒田裕二氏。

ご自身でオリジナルの組子コースターをお作りいただいた後は、三重が誇るブランド牛「松坂牛」のすき焼きをいただきます。伊勢や和歌山へと続く街道として栄えた風情ある城下町にある明治35年（1902）創業の老舗「牛銀」で、程よいサシが甘くとろける絶品牛のすき焼きをお楽しみください。

＜特別文化体験＞ 三重県指定民俗文化財 山本勘太夫社中による伊勢大神楽の鑑賞

【賓日館　訪問】

伊勢神宮のお膝元、二見町にある「賓日館」は明治20年（1887）、伊勢神宮に参拝する賓客の休憩・宿泊施設として建てられ、明治天皇の母、英照皇太后をはじめ歴代天皇陛下や皇族、各界の名士が宿泊した由緒正しき館。着工からわずか２ヶ月という驚異的なスピードで作られ、明治から大正、昭和初期に大規模な改修を施された、伊勢二見の歴史を象徴する重要な建築物でもあります。艶やかなに輝く柱や梁と白壁のコントラストといった建物に加え、砂利道がぐるりと囲む回遊式庭園もまた見事。今回は、明治期を彩った一流建築家や庭師の作意が伺えるこの場所を貸し切りに。古き良き日本の伝統と文明開花によって訪れた西洋文化が融合した、華やかなりし時代の結晶のような建築と庭を心ゆくまでじっくりとご覧いただけます。

【山本勘太夫 伊勢大神楽】

この賓日館を貸し切りにした理由はもうひとつ。こちらでは、江戸時代に獅子舞を舞いながら諸国を旅し、伊勢神宮の神札を配布して回った「伊勢大神楽」をお楽しみいただきます。神楽を演じていただくのは、現存する5つの家元のうちの山本勘太夫社中。館外の玄関先は、刀などを投げて行う勇壮な放下芸を鑑賞。その後、大広間へと大神楽師は進み、獅子舞の演舞などを披露してくれます。伊勢神宮を崇敬する民衆の間で、愛され演じ継がれてきたその演目の数々には、民衆演芸としての情熱的で生き生きとしたドラマトゥルギーが感じられます。

迎賓館での伊勢大神楽の観賞の後に、本日の宿となる「三重・伊勢志摩の温泉 Aman Resortsアマネム」へ。伊勢味覚を盛り込んだ夕食と、ミネラル豊富な天然温泉で明日の伊勢参りへの英気を養っていただきます。

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Day2　日本神話の重要拠点 伊勢神宮と、伊勢の海が育む宝物を楽しむ

【伊勢神宮 御垣内参拝】

翌日は2000年の歴史を誇り、皇室の祖先神「天照大神」を祀る伊勢神宮へ。かつては「一生に一度はお伊勢参り」と称された日本人の心の故郷です。煌びやかな観光地の神社ではなく、ヒノキの素木で作られた簡素な社殿や鳥居は、西行法師をして「何事の おわしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」と謳われたように、日本人の心に訴えかける原初的な壮麗さを讃えています。

伊勢神宮では、最も丁寧な祈願の方法である「御神楽」を神楽殿で奉納し、御正宮での特別な参拝で御祭神として鎮座される天照大神にご挨拶と感謝、祈りを捧げます。その後伊勢名物「赤福」や、伊勢の産品を扱うお土産物屋が軒を連ねる「おかげ横丁」の散策をお楽しみください。

また、伊勢神宮参拝後のオプションとして、創業明治45年（1912）から伝統の酢を使い、一筋に味を守るおぼろ昆布の老舗、酒徳昆布での「おぼろ昆布の削り体験」もご用意しています。

【海女小屋体験施設・ミキモト真珠】

伊勢といえば、伊勢海老に代表される海の幸も欠かせません。伊勢神宮の後には志摩半島の最奥部へ皆様をお連れし、「海女小屋体験施設さとうみ庵」で、海女さんが獲ったなどの海の幸をいただきます。炭火で豪快に焼き上げるジューシーな伊勢海老、サザエ、桧扇貝などは、野趣あふれる絶品。加えて海女さんの語る、海の話も食事の席を盛り上げる抜群のアクセントです。

また、伊勢は世界初の真珠養殖の地としても有名、旅のラストはミキモト真珠島へ訪れます。島内の真珠博物館では貴重な大粒のパールをあしらった王冠やバッグなどの試着＆写真撮影の機会も特別にご用意。真珠の魅力に改めて気づいたという方は、併設されたPEARL SHOPで商品をお買い求めいただけます。

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